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不良率10%超えている人が知るべき中国工場の知識 工場選定編

こんにちは。みなみ@クラファンの人です。

この度はコンテンツのご購入頂き有難う御座います。

本コンテンツは2部構成になっております。

「工場選定編」・・・今回
「工場選定~購入決定編」

まずは簡単に自己紹介させてください。

私はサラリーマン時代約8年メーカーからOEM製造受託を受けてきました。
工場選定、品質管理、物流管理、コスト管理の一連の流れを全て担当しており年間200日以上7年間海外出張の毎日で、見てきた工場は200工場は下らないと思います。

今日の大きなテーマは、
もの作りからは切っても切り離せない「不良」についてです。

今回のコンテンツを書くきっかけとなったのは、こちらの記事からでした。
(有料記事をこのコンテンツ購入者様限定で無料開放しています。)

あわせて読みたい
中国品質に悩む人に向けた第3国でのOEM製造の考え方と方法 こんにちは。みなみです。今日は「中国品質に悩む人に向けた、中国以外でのOEM製造について」のコンテンツを書いていきたいと思います。 中国OEMには、OEMの良さがある...

公開後、
「思ったよりも多くの中国品質で悩んでる方からのメッセージが来ました。」

そこで今回は
「不良率10%超えている人が知るべき中国工場の知識」
について書いていきたいと思います。

中国輸入の「不良」についての考え方

大前提ですが、モノづくりに置いて「不良」が完全に0になる事はありません。また、僕らは不良0を目指してはいけません。

それは何故か?

このラインより上のエリアが無料で表示されます。

まずは「不良」って何?って所から考える必要があると思います。

《不良の定義》

基本的に「不良」とは受け手が求める品質から外れた製品が発生する事

と僕は定義付けします。

《一般的な企業の場合》
●工場→自社→店舗・メーカー・お客様(EC)

所謂メーカーの場合は、

①店舗販売(店舗の格やブランド)

②メーカー(OEM受託)

③お客様 

それぞれ品質に関する認識が違う上、基準も異なります。
その為、全員が納得する形での「品質管理」が重要になります。

《EC専業業者の場合(僕ら)》
●工場→自分→お客様

「不良」の基準となる品質は基本的に僕らの場合はAmazon、
楽天市場経由で購入してくれたお客様が決めるもので、
その結果がレビューに反映されます。

この前提を踏まえた上でなぜ僕らは不良0を目指してはいけないのか?

Amazonを主戦場にしている場合、販売価格は最も重要といってもいいファクターです。

《原価に関する企業・個人の強みと弱み》

《一般企業》
強み→スケールメリット、VA,VEによるコスト低減
弱み→全国への物流の為の倉庫費用、人件費、管理費

《個人(僕ら)》
強み余計な管理費の未発生、FBA単独倉庫による保管費用の低減、適切な品質による仕入単価安

弱み→スケールメリットが無い、価格交渉力が弱い

不良を僕らが0を目指す=販売価格に対する対企業への価格競争力が落ちる事になります。

日本は全世界一品質にうるさく、日本企業は(変に)品質にこだわりを持ち管理しています。=管理費が高い

冒頭でも述べた通り、「不良」とは受けてから求める品質から外れる事なので、
我々は最高の品質、不良0になる管理レベルは目指さず、Amazonユーザー(代表的な所で言うと)が認めるくらいの絶妙な品質を目指し、
その基準での不良低減を目的にし、仕入れ単価も安い価格を維持するのが一番と考えています。

現状多くの方が、中国代行会社への検品のみに頼った管理をしているかと思います。

今回のnoteでは普段、メーカーがどのような管理を行っているのかを書ける範囲で書きます。
その為、これを全て実践しましょうというわけではありません。
一旦、日本メーカーの基準を知り、価格に転嫁されない又は総合的に原価が安くなる手段を模索しながらOEM製品の開発を進めましょうという目的で書いています。

本コンテンツが参考になる人

・中国輸入販売でいずれはフォワーダーを使って輸入したい方

・自社ブランド品を立ち上げたい方

・高価格帯の商品を取り扱いたく品質レベルを上げたい方

◎いい工場と付き合う=不良が無くなるという考えを持っている人

特に◎の考えを持っている方はまずその考えを捨てましょう

技術力が高い会社は人件費も加工費も高いです。
品質とコストは比例関係にあります。
良い工場は存在しますが、良い工場を使う事で皆さんにとっての良いビジネスができるわけではありません。

多くの場合は注文者の基準が曖昧にもかかわらず発注に踏み切って、日本人の常識で不良を判断している例がほとんどです。

自分の求めている品質レベル・日本人の常識をきちんと言語化して書類化をして合意の上、ものづくりをする
これが自社ブランド品の品質管理の一歩だと思います。

そんな一歩を踏み出すための知識の1つとして本コンテンツが参考になると嬉しいです。

①工場選定のフェーズ

わかりやすいように各仕入のフェーズに区切って
「不良発生の抑制」「品質向上」に繋がりそうな要素をまとめています。

①-0 不良は発生させないのが最も重要な対策

まず「不良」には発生原因と流出原因という考え方があります。
文字通り
「なぜ発生したのか?」
「発生したものがなぜ流出してしまったのか?」
という話です。

輸入代行会社の検品サービスは後者の対策になります。
(流出させない為の対策)

ここで大事なのは、
さきほどいったように「不良」は受け手の品質レベルに左右されます。
流出の対策では、検品する作業者の品質意識に左右されます。

基本的に中国人のワーカーは製品について知りません。

どういう使い方をするのか?
どういうブランディングをするのか?

こんなことは知ったことではありません。

その為作業者によってバラつきが発生する上に、検査指示が不明瞭な場合は全て流出する原因になりますが、これはそもそも「不良」という認識はされません。

この辺は後で説明するので一度割愛しますが、
不良を防ぐ上で最も大切なのは「発生させない」という事です。

①-1 不良を発生させない会社って?

「発生させない」最もいい方法は、「不良を作らないという事です。」

《不良の発生のポイントを意識しましょう!》

原材料→製造→梱包→輸送→国内輸送

ex)製品に汚れが付着という不良の場合どこで付いた汚れでしょうか?

不良を発生させないという観点に置いて
「原材料」の上流から防いでいくのが鉄則となります。

その為、僕は常々工場との取引を推奨しています。

ではどんな工場との取引が良いのか?
それは、

「良い品質の製品を作る会社」→製造技術が高い
→製造技術が高くそもそも発生しにくい

「高い品質意識を持つ会社」→管理が行き届いている

→各製造工程で不良を除く管理が行き届いている

を選ぶ必要があります。
2つは似た言い回しですが大きく意味合いは異なります。

①-2 工場との取引こそ不良交渉の第一歩 

《Alibabaに掲載される理解すべき4業種分類》

前提として工場と取引する事が大事です。
まずはどんな業種の会社があるのかを理解しましょう。

Alibabaで探すと
①貿易会社 

②販売会社(商社) 

③総合メーカー
(ex)スポーツ用品店)

④メーカー
(工場と表現している。)
(ex)エラストマー成形メーカー=マットレスを多く生産)

※日本の産業分類と同じです。

大まかにこういった4つの業種に分かれます。
(よくわからないのもあります)

この産業分類を理解した上で、中国の会社は会社名を付ける時にルールがある事を理解しましょう。

《中国の会社名のルール》

地区、会社名、経営業態、有限公司(株式会社と同義)

つまりこの会社名の「経営業態」を見れば、
貿易会社なのか、総合メーカーなのかはある程度区別がつきます。
その為リサーチでAlipriceで検索した時は「会社名」にまず注目しましょう

次に理解するのは中国の地域別の産業構造です。

日本も同様ですがある程度、ハイテク産業、紙業、精密部品、重工等産業は地域に固まっています。
(紙なら四国や静岡、レンズだと長野みたいな感じです)

中国についても同様です。むしろ中国の方が顕著です。
(浙江省寧波→アパレル、繊維、
プラスチック成型 深圳→電子機器、ハイテク品 等)

《会社に記載されている地名の共通項を理解しよう》

経営業態を見てまずは④のメーカーまでは絞れます。

①貿易会社 →除外

②販売会社(商社)→除外 

③総合メーカー→除外
(ex)スポーツ用品店)

④メーカー → 沢山あってどこがよいのか??
(ex)エラストマー成形メーカー=マットレスを多く生産)

地名の共通項から④のメーカーの中から自分の製品の核となる
技術のメーカーが集まる地名を探します。

《規模が大きい会社を探したい?? そんな時の小技》

※会社名に記載する「地名」は原則市が記載されます。
(神奈川県=浙江省 厚木市=寧波 のイメージです。)

但し省も一部使用できます。

省を使用する場合は、政府から
高い資本金額が要求される事になるので
規模が大きい会社しかつける事が出来ません。
(資本金が大きい=設備を多く持ってる?)

①-3 実際にAlibabaで見てみましょう!序章

適当にAliPriceで検索してみました。

無題

①-3 実際にAlibabaで見てみましょう! 貿易会社編

適当に1つ選んでみます。
まずは会社名の下の部分を見ましょう。
「Trading Company」

これが記載している時点でOEMしたい人は検討から除きましょう。

無題
無題

ちなみにここで言うと

JIANGSU=江蘇省
YANGZI=商号
TECHNOLOGYGROUP(科技集団)=会社業態

こういう区分になります。科技集団はメーカーの場合もあるので何のメーカー?というので地名で絞って行くという流れです。
(今回はAlibabaにtradingcompanyと書いてたのでその時点で除外しましょう)

①貿易会社 ②販売会社(商社)と判別するキーワード

国際貿易(International Trade)
輸出・輸入(Export,Import) 等

①-3 実際にAlibabaで見てみましょう!総合メーカー編

適当にまたみてみます。
「Manufacturer Trading Company」って書いているので
その時点で除外いつもならするのですが会社TOPページを見てみましょう。

無題
無題

YIWU=地名
KUER=商号
SPORTING GOODS=会社業態

《③総合メーカーと判別するキーワード》
SPORTING(体育)
SPORTEQUIPMENT(健身器材)
TRAVEL(旅行)

商品の製造方法や素材名ではなく、ジャンルが名称のもの

①-3 実際にAlibabaで見てみましょう! メーカー編

次はこちら。一番迷うのが何の工場なの?という部分だと思います。

無題
無題

もうわかってきましたよね?

XIAMEN=厦門
SMARTER=商号
STONE=会社業態

つまりここは石材加工メーカーということになります。
(なんでここがマットレス売ってるかは謎ですが)

どんな会社か迷った時は認証書を確認しましょう!

無題

会社概要から研究開発部分を見ます。
基本的に輸出企業だと「貿易ライセンス」「認証」(代表的なものだとCE等)に業種が記載されているので見てみましょう。

今回の会社の場合「石材産業」と書いているので整合性がとれました。

ただ、認証発行年度が2010年なのに、Alibabaの登録がまだ3年??
新たな疑惑が。

中国は平気で外注の会社やオーナーが同じ会社で製造会社と貿易会社でわけていたりすると違う会社の証明書を自分会社と言って出してくる時があります。

きちんと会社名までチェックしましょう。

今回は少し怪しいので深堀してみましょう。

①-4 会社情報を確認「企査査」からコーポレートサイトを見よう!

中国で働いていたひとならおなじみの「企査査」といって、中国は意外と情報がオープンになっている国で、2,000万社以上ある全ての企業情報が無料で開示されています。それを簡単に検索できるのがこの「企査査」というサイトです。(https://www.qcc.com/)

※23年1月8日更新

「企査査」の登録について

使用する場合「会員登録」を求められて中国語の電話番号が無いと登録が出来ないようになっていると思います。
ただ、登録には抜け道があります。

「Wechat」を利用した登録です。

Wechatは中国版のLINEです。中国ではLINEの使用が禁止されているので国民のほとんどはこのWechatを利用して普段やり取りしているケースが多いです。
私自身も中国メーカーとやり取りするときは「Wechat」を交換してやりとりしています。翻訳機能がついているので中国語相手でも日本語で会話可能です。(LINEと同じく無料で使えます)

https://www.wechat.com/ja/

Wechatを登録頂くとQR読み取り機能があるのでこれで登録画面のバーコードを読み取れば日本の電話番号でも登録可能です。

無題

検索部分に社名をコピペしましょう!

無題

きちんと実在する会社で設立が2003年なので認証も正しそうだと判断できます。ついでにHPも見てみます。

無題

石材をカットする設備も確認できるのでここはどちらかというと大型の石材を加工する会社というのがわかりました。
(ちなみにHPを見たり、カタログを貰えばAlibabaに掲載していない商品は結構あります)

①-3 実際にAlibabaで見てみましょう! メーカー編(再)

今回はマットレス会社を探していたので脱線しましたが元に戻りましょう。
また適当に見てみます。

無題
無題

 認証部分を見ると「NBR」とゴムの認証を持っているので、ゴムの製造を行っている会社というのが分かります。

この情報を元に

Zhejiang=浙江省
Quzhou=衢州市
Sung=商号
Rubber&Plastic=業態

という事がわかります。

ここから
Quzhouではゴムの加工業者が多い?という予測を立てます。

「Quzhou」「Rubber」でサプライヤー検索

(1688の場合は地名でフィルター掛けれます。)をしていくと
似た設備、加工をやっている会社を見つけれます。

①-5 アリババに載っていない企業への辿り着き方

①-4で自分が求めている製品の「素材」「製法」を扱う地域の絞り込みができ、ある程度の会社が絞れたと思います。

後はかたっぱしから絞った会社とやり取りが必要です。
(本業の場合はこの段階で辺りを付けた会社全てに見積依頼をします。
回答が来たところに訪問をします。
ここまで調べても全然違う工場だったりするので、製造先を紹介してもらい工場まで辿り付きます。)

ネット上だけだとそれが出来ないので、工場担当者とのやり取りが重要になってきます。基本的に頭ごなしに紹介してくれというのはNGです。

抽象的な表現ですが、工場の人と信頼関係を築く必要があります。
(この人は継続して仕事を持ってくる人という事を明確に思ってもらう必要があります)
関係性を築く事で自社で加工できない、品質担保ができない、形状が実現できない場合他の工場を紹介してくれることが多いです。
(エージェントを雇える人は雇う方が現地の人同士の方がスムーズです)

《信頼を築く為には「見えないお金を見せる」》

中国の人は非常に人を見ます。組織(役職)<人です。

・決済権限を持っているか?
・仕事をより多く取ってこれる人か否か

純粋に将来性含めて自分の稼ぎに直結するかが重要なファクターになります。(実際に会うと君にはオーラがあるからターゲット価格でいこうと謎なスピリチュアルな事を言われるくらい「個」を見ます。担当が変わった瞬間値上げになったケースも多々あります。(きっとオーラが足りなかったのが原因です。)

・本気度を示す=図面やポンチ図、サンプルを用意した上で条件を決める
(要求事項を明確化する)

・将来性を示す=日本での販売計画
(Amazonの場合、レビュー増加と共に販売数量は少ないが、いずれロット100個→10,000個に増える可能性がある等)

・諦めない

上記を示すのが最低限かと思います。

よく売上も無いのに交渉したり、書類出して厳しい条件付けたりしても良いのか?と聞かれる事がありますが、

結果は、

「交渉しない人」は向こうの標準規格
(=日本から見た時、最低品質)で製品が来ます。

海外だと交渉するのが基本事項です。

中国はレスポンスが早いので遠慮なく厳しい条件を先に提示しましょう。

当然、品質管理項目が多ければその分コストはあがります。
ただその上がり幅の大小は=普段取り扱っている製品品質のレベルと要求品質の乖離だと思って下さい。

基本的には、
① 展示会での接触
② 現地中国人による紹介

によって取引している会社と長く取引できている傾向が経験としてはあります。その為、あまりアリババ(=海外の仕事が欲しい企業)に掲載している企業のように、仕事が溢れていない会社というのは、何か問題を抱えているケースが多いのも事実有ると思います。

但し、中々エージェントと契約する、リサーチの為だけに現地に赴けないという人も多いと思うのでそういった方に向けたやり方がアリババ掲載企業にヒアリングしていく方法です。

※今回は品質管理に絞った話ですが、アリババに掲載されていない会社の探し方は他にもあるのでまたいつか気が向いたら書くかもしれないです。

①-6 工場側へのヒアリング事項一覧

これは私自身がヒアリングする項目です。
(ケースによって聞かないものもかなりあります。)

《会社概要》
・会社の年間売上
(輸出比率、主要輸出国、輸出品目、型番)
・設立年度
・従業員数
・会社カタログ、HPはあるか?
・カタログ品の中に在庫品はあるのか?
・輸出ライセンスはあるか?
・(営業許可書はあるか?)

《設備編》
・モック作成、サンプル作成は可能か?
(試作室はあるか?)
・設計者・デザイン担当はいるか?
(設計した図面)
・組立場はあるのか?
・検品場所はあるか?
(検品場所の照度管理はしているのか)
・検品者の異物混入対策は出来ているのか
(防止被ったり、作業着着用)

《取引条件》
・初回のみ前金取引、2回目からは後払い可能か(代行会社を使う場合必要無し)
・通常の不良発生時の対応
(返金、無償で代品納入)
・通常の不良の内容

《モノづくり編》
・製品を作れるか否か?
・製品は自社工場で作るのか?
・外注する部分はあるのか?
・月間の生産キャパシティ(ある月の出荷実績)
・材料は国内材料か?海外材料か?
・再生材料は使用していないか?

《管理編》
・QC工程表はあるか?
・仕様書は自社で作るか?
・作業手順書・作業標準書はあるか?
・検査基準書はあるか?
・貨物置場は決まっているか?
・輸出梱包の標準はどのようなものか?
・原料証明書はあるか?
(ミルシート、材料証明書、検査成績書)

①-6 工場側へのヒアリング事項一覧 会社概要編

なぜこの項目を聞いているのか?という解説です。

・会社の年間売上
(輸出比率、主要輸出国、輸出品目、型番)

売上のヒアリング目的は3つあります。

①自分の発注ロットは相手にとってどのような位置づけなのか把握する

これは自分の将来性も加味した数字で捉えます。
初回発注が100個 
売上最大化した場合 1000個

であれば1000個となった時に自分はどんな立ち位置なのか?と想像する事で交渉のスタンス(強気でいくのか、細かく色々聞くのか等決めています。)

これはザクっとした計算でOKです。
年間売上額をヒアリング、取扱品目の平均単価をざくっと見ます。
1か月のおおよその出荷想定量を計算します。
(実際平均値なんて事ないですし、大口のお客さんいるだけで数値は全然変わるのですが感覚を掴むくらいです)

感覚的に自分は重要顧客になり得るか?を相手目線で立って考えるというだけです。


②納期遅延の可能性の考慮
メーカーには月間の生産キャパシティ(従来の月間最大出荷実績でも可)があります。(アリババに記載されている場合があるがヒアリングしてみる)
そのキャパシティに対して現在の売上ベースでどのくらい?と想定します。

キャパシティと実績が極端に乖離している場合→大口契約を切られた可能性を考える

キャパシティに対して9割以上生産がある→納期遅延の可能性がある


③倒産の可能性があるか?

②で少し記載した通り大口で切られた可能性を考えてその後のヒアリングをする。
対昨年売上高比較で著しく下がっている場合は資金繰りの問題もあるので注意する。

・輸出比率

感覚的な話ですが、
日本>ドイツ>ヨーロッパ>アメリカ>その他>中国

日本、ドイツへの輸出比率が高い国については、他客先が厳しく品質管理をしている効果で品質レベルが高い事が多いです。

但し、不良率の想定を多く見ていて見積単価は割高です。
ただ、僕の場合は基本的に日本への輸出実績があるメーカーを選んでいます。

※輸出実績については、
直接取引なのか商社(中国or日本)の仲介があっての取引か確認しましょう。(あわよくばで実績企業とその製品についても聞きましょう。)
日本の商社が入っている場合はそこが品質担保(日本国内での手直しや検査をしている可能性が高いので、実績は無いに等しかったりします。(良くなる可能性はあります))

中国国内実績の比率が50%を超えている会社はあまりお勧めしません。

・輸出品目・型番 

これは品質管理と関係ありませんが、
初期費用を掛けずに、日本市場に入っていない商品で相乗りされない商品を最小ロットで輸入する策として、他国のOEM品を購入させてもらうという方法があります。

僕自身もニュージーランドのメーカーがOEM委託した製品の材料を使う事で、材料ロットが1000個近くかかる製品を300個で輸入しているケースもあります。
意外と初期費用を掛けたかったり固定資産にしたくない為に中国工場に金型資産を所有させるケースが多いです。
(中国工場は他への転売が自己資産なので可)
権利関連はチェックする必要がありますが、その小技を使うためによく輸出される品目や型番をヒアリングしています。

・設立年度

長ければいいというものでもないですが、短くていい事は無いです。
(買収して設立年数を良く見せたりしている会社もあるので)

目安は正直ないですが、5年未満くらいの工場は・・・て感じです。

・従業員数

これは何人いればいいというよりも観測用です。

春節後に従業員数が大幅に減る工場は、品質管理に関する引継ぎが出来ていないケースが多く注意が必要です。

・会社カタログ、HPはあるか?

有る場合は輸出慣れ・営業慣れしてるなって思うだけで、無いから取引しないとかは無いです。
カタログはアリババに載っていない商品の宝庫なので単純輸入する人は特に貰ったらいいのでは?ってくらいです。

(安い価格で仕入れるという観点から行くとない会社が多いです。
駐在して指導して品質レベルを上げていく必要があるので個人だと特に考えなくても・・・)

・カタログ品の中に在庫品はあるのか?

在庫品=売れ筋の指標にはなりますが、
在庫品=ロット管理はしているか?主要向け先国によっては日本人にとって全数不良の可能性も。
詳細は第2弾へ(9月に公開します)

・輸出ライセンスはあるか?
・(営業許可書はあるか?)

輸出実績有る≠じぶんがでは無いのが中国です。
商社経由で海外にいっているらしい=輸出実績が有ると自信満々に言ってきます。

輸出ライセンス=対外貿易経営権を持っているかきちんと確認しましょう
(企業名をきちんと確認しましょう)

番外編 貿易会社と製造会社が分かれている会社には注意??

中国では社長が一番偉くはありません。
董事長=主要株主の一番偉い人?
総経理=社長

董事会という日本の会社執行機関+株主を併せたような機関があり基本的にそこのトップの董事長が最も偉いです。

実務のトップとして総経理=社長 が選ばれますが雇われも多くいます。

良くあるのは董事長が同じで社長が別の会社で、製造会社と貿易会社が分かれている会社があります。

当然モノづくりは製造会社が、取引窓口は貿易会社というやり取りになります。確かに董事長は同じなのですが、社長が違ければそれはもう全く異なる会社となります。
不良交渉の際、他の商社や貿易会社と取引したのと同様に大体トラブルので董事長が同じと言われても製造会社以外との取引は絶対NGといいましょう。

①-6 工場側へのヒアリング事項一覧 設備編

・モック作成、サンプル作成は可能か?
(試作室はあるか?)

よくサンプルをばらまいて一番いい所を選んで工場を選ぶという人が多い印象です。

よく輸入をかじった人が言う有名な話
「中国のチャンピオンサンプルはそこの工場の最高品質である。」
これはあたらずも遠からずという感じです。

チャンピオンサンプルは明確な定義は無いかとおもうのですが、(少なくとも僕は知らないのですが、製造業の方いかがですか?)

製造業でよく使う言葉で、量産品では生産できないが、一個のみであれば生産可能な評価用のサンプルの事を指していると信じています。

つまり取り寄せたサンプルは果たして
・サンプル用に作ったのか?
・在庫品から出したのか?
・試作機、量産機どちらで作ったのか?

これによってチャンピオンの質をどう判断するか決まります。

「中国のチャンピオンサンプルはそこの工場の最高品質である。」
これは試作室で手作りで最高の手間をかけて作ったケースが多いです。


そういう訳で試作室はあるのか?モック作成はしているのか
というのをヒアリングしています。

※試作室、モック作成している=OEMに柔軟な対応が出来る会社でもあるので基本ポジティブに捉えていますがサンプルに関しては別という話です。


・サンプル用に作ったのか? →大幅に量産時品質下がる可能性有り
(予期せぬ致命的な不良が出る可能性があるので注意)

・在庫品から出したのか? →普段の品質管理なのでさほど変わらず
・量産機で作成 →普段の品質管理なのでさほど変わらず
 

「どんなサンプルを取ったのか?」を意識しましょう!
代行会社に複数サンプル取ってどれがどの工場のかわからないといっているような意識だと不良に悩まされること間違い無しなので注意しましょう!

基本的にサンプルは、
サンプルを見た上で
品質要求に到達しているのか?
どのように品質管理項目を規定するのか?

を決める為のものなので、何にも品質基準が無い状態で取る
サンプル=量産品質と捉えるのはただのいちゃもんです。

・設計者・デザイン担当はいるか?
(設計した図面)

これを聞く観点は2つあります。

①第一にODM生産してくれそうか?確認する為

②致命的な欠陥が無いかを確認する為です。

中国工場の多くは、サンプルを見て作れるか作れないか判断して限りなく近い形で作ってきます。

普通の製品だとこれでOKですが、

例えば脚立をつくる時どうでしょう?
全く同じ構造、材料でトレースするのは不可能に近いです。
日本の脚立が耐荷重150kgまでとして同じ構造だからと同じ耐荷重で販売したらすぐ壊れたなんて事になる場合、製造物責任は輸入者にあるので大変な事になります・・・

設計者がいれば、許容過重計算が出来ますし、ソフトがあれば構造解析をしてくれます。(それが権威性になったりなんてことも)
製品の使用用途に②はよりますが、いる場合はどのような設計をしているか確認した方が良いでしょう。

・組立場はあるのか?

→パッケージ詰めをする組立を床でやったり、半製品(製造途中にある製品のこと)の置き場が無くて床におく段積みしまくるといった事は製品の汚れ、傷、打痕の原因になります。

・検品場所はあるか?
(検品場所の照度管理はしているのか)

→上記と同じです。良く汚れの検品漏れの原因としては、検品場所の照度が足りていない事が多いです。
太陽光の下だと見えないのに蛍光灯の下だと見える汚れもあります。
普段は手元何ルクス以上とここも検査基準書に入れる場合がありますが、個人の際は検品場所があるか無いかくらいの確認で良いと思います。

・検品者の異物混入対策は出来ているのか
(防止被ったり、作業着着用)

これはタイトル通りです。これがなっていない工場ではビンタされたり、チョコレート入ってたり、はさみ入ってたり色々なものが入ってくるのでとても楽しいビジネスができます。


一番の理想は検品場所がきちんと蛍光灯があって、机が複数ラインで製造工程順の導線が出来ていて、一時保管場所、出荷用エレベータが近い環境がある。

組立担当と検査担当と梱包担当を1人で担当せずセクションが分かれている検査環境を作れている会社はかなりレベルが高いです。

※アパレル・縫製系だと糸の管理、色が違う製品の生産を同じミシンでやらず分けている等 製造物によって管理項目は全然違います。
製造工程の把握を最低限するといいと思います。

成形物関連の外観不良項目はキーエンス「外観検査.com」が非常に参考になります。
https://www.keyence.co.jp/ss/products/vision/visual-inspection/glossary/

①-6 工場側へのヒアリング事項一覧 取引条件編

・初回のみ前金取引、2回目からは後払い可能か

→これは不良とは関係ありませんが、2回目からBL発行後30日以内振込で取引する事が多いです。
不良交渉の発生ポイントを御な値を支払う前に置く事で有利に交渉できます。

・通常の不良発生時の対応
(返金、無償で代品納入)

→基本的に要求=値上げ に繋がる感覚は持っていいと思います。その為、いかに向こうから条件を引き出すか?を念頭に戦略的にヒアリングしましょう。
他の会社に対してや通常の不良発生をヒアリング内容をベースに「不良範囲」の設定をする事でコストを抑えれます。

・通常の不良の内容

工場としての不良と認識する内容をヒアリングしましょう。
これはメール文面だけでなく出来れば写真やサンプルがあればサンプルも貰いましょう。

①-6 工場側へのヒアリング事項一覧 モノづくり編

・製品を作れるか否か?
→8割作れたらYesと行ってくるので自分で不良になりそうなポイント、技術的に難しい部分を図面やポンチ図で1つ決めて聞きましょう。
(縫製品だと寸法公差、成型品だと肉厚、金属なら外観基準等)

※自分で分からないって人は、いろんなメーカーに製造上一番難しいポイントを聞いてそれを他の会社の見積取る時にヒアリングしましょう。
(樹脂成型とはランサーズに設計アドバイスを1000円くらいでしてくれたりします。)

・製品は自社工場で作るのか?・外注する部分はあるのか?

品質意識の高い工場でも外注のコントロールが上手くいっていない会社は多くあります。

外注に出す部分は不良が起きやすいポイントなので製造工程の中でどこが自社?どこが外注?というのを把握しましょう。

日本は、分業制のスタイルで、工程ごとに違う会社で1つの製品を付くる事が多いので日本の会社の外注管理の仕方を研究するのも手だと思います。
(中国は全て自分の工場という会社が多い)

例)タオルを作る場合

(製造工程)
原糸→整経→織り→染色、洗浄、乾燥→縫製→検品・検針・梱包

画像14

全てを自社でやる会社もあれば、
縫製以後の工程をやる会社も様々です。

例えば、
タオルの汚れの不良が起きる場合、乾燥機の油の付着が原因としては多いです。

自社工場で管理している場合は、乾燥機使用前に清掃を行う事という工程表に記載してもらう事で対策できますが、

外注の場合は同じ品質レベルに無い時、対応してくれるかは怪しいです。
対応してくれない場合、縫製メーカーは自社のせいではないので保障しないという会社も多いのが現実です。

・月間の生産キャパシティ(ある月の出荷実績)

こちらは先ほど説明したので割愛

・材料は国内材料か?海外材料か?・再生材料は使用していないか?

→これには2つの観点があります。

①材料証明書がきちんと出るか?

次のnoteで詳しく説明しますが、材料証明書を発行できる会社と付き合いましょう。

②再生材料ではなくバージン材を使ってもらいましょう

①が出る会社は基本的に再生材料は使っていないはずです。
再生材料とは使用済み製品及び製造工程から出る廃棄物を回収して新しい製品の原料として使えるようにしたものです。

ロット毎の色のバラつきや、外観の汚れ、形状のひけ等の原因になるので、長期的に生産するものには使わない方がいいです。
(昔勝手に再生材を使われて、金属探知機に全てひっかかる事件があり検針もできなくなる場合もあるので注意です)

①-6 工場側へのヒアリング事項一覧 管理編

・QC工程表はあるか?

QC工程表とは「Quality Control Chart」の略で、「品質管理チャート図」の事を指します。

ITトレンド様 「QC工程表とは?」品質管理担当者が知っておきたい基礎知識 
https://it-trend.jp/process_management/article/464-0005

こちらが分かりやすいのでぜひ読んでください!
(決して書くのが面倒とかでは無いです。)

・仕様書は自社で作るか?

仕様書は自分で作ると手間なので、製造メーカーにヒアリングして入手しましょう。あわよくば図面も依頼しましょう。
そこに、寸法公差、不良条件を書いてしまえば仕様書に早変わりです。

直接貿易ガイド様の「仕様書・図面を交わす」
https://how-to-trade.nejico.com/archives/guide/%E4%BB%95%E6%A7%98%E6%9B%B8%E3%83%BB%E5%9B%B3%E9%9D%A2%E3%82%92%E4%BA%A4%E3%82%8F%E3%81%99/

こちらを参考に頂ければと思います!

《仕様書項目》
・日付
・型式・品番(自分で適当に設定してOKです。発注書と揃えましょう)
・製品図面(材料名、寸法、面取り、寸法公差又は等級)
・Confidencial(外部流出禁止と一応書いときましょう)
・必要物性(必要に応じて、硬度や面粗さ)

《検査項目》
・検査数量(全数なのか、ロット毎なのか、ケース単位、初回だけ)
※コストに直結するのでメーカーの検査規格を先に聞きましょう。
・検査箇所(別紙検査結果を記入するシートを作った方が◎)
・注記(不良条件ː打痕無き事、傷無き事のような)

・作業手順書・作業標準書はあるか?

これは工程ごとに誰が作業をしてもおなじ結果になるように作成するものです。

例えば御馴染みのタオルだと、
・どういう折り畳み方をするか?
・どのように袋にいれるか?
・梱包した製品はどのように置くのか?
・・・・・etc

各工程の作業をマニュアル化する事で人の変更による不良を減らすっていう考え方です。
自分で作る必要は無く持っているかどうかの確認だけでOKです。

不良が起きた時にどこの作業に問題があるか?という原因分析をする際に使うだけです。

・検査基準書はあるか?

検査指示書とも言います。これはメーカーに貰う部分+自分で作った方がいいと思います。(また、不良発生毎にアップデートしていきます)

これが実際にメーカーから出してもらっているものです。
これは基準書で別紙に限度見本がありその部分に私は検査内容を記入しています。
そしてそれに対して、製品を抜き取り検査した重量や寸法を測った画像、不良か怪しい外観の写真を送ってもらい遠隔で管理しています。

消した成績書 

限度見本については
日本サポートシステム株式会社様「外観検査の限度見本とは?目的や作り方、外観検査に強い3業者まとめ」
https://jss1.jp/column/column_143/

にまとめられていますのでぜひ!

基本的にはメーカーから不良と認識している写真、検品中に発生した不良の写真を一枚のシートにまとめて、不良内容を書いていくだけです。

※きっとここまではやっている人がいると思いますが、限度見本は現場に無くては効果を発揮しません。代行会社に言ったのに、メーカーに言ったのにと嘆くだけでは解決しないので確実に現場に置いてもらいましょう!

・輸出梱包の標準はどのようなものか?

これはクーリエや船便で貨物の扱いは大幅に変わりますが、メーカーにより基準が違います。
割れ物じゃない=普通のダンボールに詰めるだけ=日本に着いたら中身がぼこぼこなんて経験有るのではないでしょうか?

まずはメーカーの梱包基準を知った上で、製品に合わせて確認するといいと思います。個人的にはダンボールと緩衝材を変える事で入数が減らない用にするのが最もコストがかからないと思います。

・ダンボールの厚みをかえる

ダンボールの規格についてはこちらを参照ください。

アースダンボール様「ダンボールガイド」
https://www.bestcarton.jp/guide/danball/

※一番分厚いのって言えば通じると思います

・二重箱にする

家電製品や電気製品に多く用いられる梱包方法です。
ただ二重にダンボールをするだけです。
中の緩衝材もエア膨張緩衝材、ただの紙くず、ピーナッツ型発砲クッション、ポリエチ色々あるので確認しておくといいと思います。

・原料証明書はあるか?
(ミルシート、材料証明書、検査成績書)

ミルシート→鋼材
材料証明書→樹脂とか色々
検査成績書→各種認証や法規制に付随して検査が必要なもの

Mitsuri様「ミルシート【基礎知識】内容と材料証明書、検査成績書との違い」
https://mitsu-ri.net/articles/mill-sheet

ここに詳しく書かれているのでぜひ!
(決して書くのが面倒とかでは無いです。)

まとめ

「不良」においては、絶対発生するものと認識した上で、中国側と我々の認識の為の基準をヒアリングにより作って、共有をして、重要項目は手を加えるという流れで「発生」と「流出」を抑制させます。

・中国相手には交渉する事は迷惑ではなく挨拶感覚でするものというマインドを持つ
・口約束ではなく極力、書類という形でもらう
・メーカーとは関係性を築くのが大事

この3点に尽きます!
これらを、100個とか少ない数で全部やるのはメーカー側もこちらも手間なので日々のやり取りの際に雑談ベースで聞いてみて、ロット数が増えたら一気に交渉するという流れがいいのかなと思います。
(その辺の匙加減にマニュアルは存在しないので頑張ってください!)

↓後編に続く

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